
ウチの税理士事務所って雰囲気が悪いよなー。
他の事務所もこんなもんなのかな…。
こんにちは!むたです。
大学院卒業後から都内の税理士法人(現在2社目)に勤めており、転職を成功させて今ではフルリモートの税理士法人で自由に働いています。
税理士事務所で働くと、繁忙期の長時間残業や申告期限のプレッシャー、所長や同僚との距離感、さらにはクライアント対応のストレスなど、さまざまな要因で心身に負担を感じることがあります。
特に「雰囲気が悪い」と言われる税理士事務所では、離職率の高さ、不透明な人事評価などが重なり、働き続けること自体が大きなストレスになりがちです。
本記事では、職場で感じるストレスの原因を整理し、日常で実践できる軽減テクニックや、改善が難しい場合の転職判断基準まで、具体的に紹介していきます。



ストレスの正体を理解し、自分に合った環境で長く無理なく働くためのヒントになれば幸いです!
税理士事務所はなぜストレスを感じやすいのか?


「税理士事務所はストレスが多い」と耳にしたことはありませんか?実際に働いている人の中には「雰囲気が悪い」「地獄」と感じる人も少なくありません。
では、なぜ税理士事務所ではストレスを感じやすいのでしょうか?ここでは、その代表的な要因を整理して解説します。
①繁忙期の残業と申告期限のプレッシャー
税理士事務所で最も大きなストレス源のひとつは、個人確定申告や3月決算などの繁忙期に集中する業務量と、申告期限に追われるプレッシャーです。
税務申告は期限が絶対であり、期限内に申告を終わらせなければなりません。ところが、自分の理想のスケジュール通りに作業が進むことはほとんどありません。クライアントの協力がなく、資料がギリギリで届くなんてこともよくあります。
特に確定申告時期(2月~3月)、3月決算の申告時期(5月)には、残業や休日出勤が当たり前になる事務所も多いです。
繁忙期に申告期限に追われながら仕事をするのは、会計事務所ならではの風物詩でしょう。
②所長の人間性と閉鎖的な雰囲気
税理士事務所は中小規模が多く、所長の性格や方針がそのまま職場の雰囲気に直結します。
所長がワンマンだったり、細かく干渉するタイプだった場合、職員は自由度を失い、常に緊張を強いられる環境に置かれます。小規模ゆえに逃げ場もなく、直接のプレッシャーを受けやすいため、ストレスが強まる傾向があります。
特に新人や未経験者にとっては、適応できず早期離職の原因にもなりがちです。
所長以外にも、癖の強い人が一人でもいると、独特な空気感のなか仕事をしなければなりません。



税理士事務所は小規模ゆえに、雰囲気が悪くなりがちなのです。
③クライアント対応のストレス
税理士事務所では、中小企業の経営者や個人事業主など、自ら事業を立ち上げるような『意志の強い人』を相手にすることが多いです。
クライアントの中には、「書類をすぐに用意してほしい」「もっと節税できないのか」といった無理難題を突きつけられることもあり、専門知識が必要な上に感情的な対応を求められるため、気疲れが大きくなります。
特に経験の浅い職員にとっては、顧客対応は大きなストレスの壁となるでしょう。



慣れてくると、理不尽な要求は躱せるようになるんですけどね。
【地獄】雰囲気が悪いと言われる税理士事務所の特徴


「うちの事務所、なんだか雰囲気が悪い…」そんな声は税理士業界では珍しくありません。
雰囲気が悪い職場には、いくつか共通する特徴があります。それを知っておけば「自分の職場はどうなのか?」「転職先を選ぶときに何をチェックすべきか?」が見えてきます。
ここでは代表的な特徴を3つ紹介します。
①怒鳴る・叱責が日常化している
日常的に怒鳴り声が響く事務所は、雰囲気が悪くストレスの温床になりやすいです。
威圧的な指導は従業員の緊張を高め、心理的安全性を奪います。その結果「ミスを報告できない」「相談しづらい」という空気が蔓延し、負のスパイラルが起こります。
「新人が萎縮して何も聞けずにミスが増える→さらに怒られる」という悪循環は、業界でよく耳にする話です。こうした職場は教育環境が整っておらず、長期的に人が育ちにくい特徴があります。



小規模事務所ではパワハラを監視してくれる人もいないですからね…。
②離職率が高い・新人がすぐ辞める
従業員がすぐ辞めてしまう事務所は、内部に問題を抱えている可能性が高いです。
人が続かないのは「待遇が悪い」「人間関係がギスギスしている」「業務負担が大きい」といった要因が背景にあります。つまり、定着しない職場には何らかの構造的な問題があると考えるべきです。
実際、業界内では「新卒や未経験者が1年以内に半数以上辞める事務所」も存在します。求人情報では見えない部分ですが、口コミや転職エージェントへの確認である程度の実態を推測できます。
③人事評価が不透明
税理士事務所の人事評価は不透明で、所長のさじ加減で決まることが多いです。
担当件数が多くても、クライアントからの評判が良くても、所長がその努力を理解しようとしていなければ評価されない一方で、アピールが上手い職員だけが評価されることがあります。
税理士事務所は小規模ゆえに、評価基準や査定プロセスが公開されていないことが多く、給与や昇進に不透明感が漂いがちです。その結果、頑張る人ほど報われない感覚に陥り、不公平感や不信感が強まり、職場の雰囲気がギスギスしてしまいます。



努力よりも「気に入られているかどうか」で差がつくと、納得感を持てるはずがありませんよね。
税理士事務所でストレスを減らす実践テクニック


「自分の事務所はストレスの多い職場だ!!」と感じている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、自分の職場ストレスを改善するための方法を提案します。
同僚や上司との距離を保つコミュニケーション術
ストレスの大半は人間関係から生まれるため、適度な距離を保ちつつ必要な情報だけを得るコミュニケーションが効果的です。
近すぎる関係は干渉や摩擦を生みやすく、遠すぎるとサポートが得られません。自分を守りながら円滑に仕事を進めるには「報告・連絡・相談」を中心に、ほどほどのプライベート開示くらいが賢明です。
「雑談で踏み込みすぎて嫌われる」「逆にまったく会話せず孤立する」などの極端な関わり方はストレスの原因になりがちです。ビジネス上のやり取りを意識し、プライベートに深入りしないことで、人間関係の摩擦を最小限に抑えられます。



コミュニケーションを取ろうとする姿勢は見せておくと、程よい距離感に効果的ですよ。
繁忙期を乗り切るためのごほうびを用意する
繁忙期はどうしても残業や納期プレッシャーが重なり、心身の疲労がピークに達しやすい時期です。ただ「気合いで乗り切る」だけでは長続きしません。
心理学的に、人は「この先に楽しみがある」と分かると行動を続けやすくなることが知られています。繁忙期は精神的にも体力的にも消耗しますが、ごほうびを設定しておくことで脳がポジティブな予測を立て、ストレスを和らげてくれます。
1週間頑張ったら → 好きなスイーツやちょっと贅沢な夕食を楽しむ
繁忙期終了後には → ちょっと高価な自分へのプレゼント
このように小さなものから大きなものまで、自分なりのごほうびを仕込んでおくと、「あと少し頑張れば○○が待っている」と思えるので、繁忙期の辛さを前向きに乗り越えやすくなります。
どうしても変えられないものを切り分ける
ストレスの中には自分でコントロールできるものと、できないものがあります。それを切り分けることが重要です。
「努力すれば改善できること」と「どう頑張っても変わらないこと」を混同していると、無駄なエネルギーを消耗してしまいます。まずは冷静に整理することで、限られた力を有効に使えるようにしましょう。
たとえば「業務の進め方を工夫する」「上司との距離を保つ」は自分で改善可能ですが、「所長の性格」「オフィスの狭さ」は自分では変えられません。変えられないものに悩み続けるより、転職や環境変更といった別の選択肢を考えるほうが建設的です。
また、それらは頭の中で考えるだけでなく、紙やメモにストレスの内容を書き出すことをおすすめします。感情のまま考えていると「全部つらい」と思い込みがちですが、実際に書き出すと「意外と小さなこと」や「改善できそうなこと」が見えてきます。



転職を考える際のヒントにもなりますので、『自分にとって何がストレスなのか』まずは紙に書いてみましょう。「業務」「人間関係」「環境」で分けて書いてみると整理されますよ!
それでも改善が難しいなら「転職」を視野に


どんなに工夫してもストレスが軽減されない場合、「自分の努力不足」ではなく「職場環境そのものに問題がある」ケースも少なくありません。無理に我慢し続けると心身を壊してしまいます。
最後に、転職を考えるべきサインと、次に働きやすい事務所を選ぶためのポイントを解説します。
転職を検討すべきサイン
『すでに心身に悪影響が出ている』または『ストレス要因の改善の見込みがない』と感じたら、転職を検討すべきサインです。
「頑張ればなんとかなる」と思って働き続けても、睡眠障害や体調不良が出ている場合はすでに限界を超えている可能性が高いです。さらに、人間関係や所長の性格など、自分では変えられない問題は長期的に改善しにくいものです。
自分を犠牲にするだけの地獄の税理士事務所になんか留まっちゃダメですよ。



自分がいなくなったら仕事がまわらない…。なんてことは所長が考えるべきことであって、我々には働く場所を選択する自由があります!
次に選ぶべき「働きやすい事務所」のチェックポイント
転職を決めたら、次は「雰囲気の良い事務所」を見極めることが大切です。
また同じようなストレス環境に入ってしまっては意味がありません。事前にチェックできるポイントを押さえておくことで、働きやすい職場に出会いやすくなります。
下記に、チェック項目や面接時の質問をリスト化したので、参考にしてみてください。
チェック項目 | 確認ポイント | なぜ重要か | 具体的質問例 |
---|---|---|---|
離職率・定着率 | ①過去1〜3年で退職者が多くないか ②新人がすぐ辞める、職員の入れ替わりが激しいなどの口コミはないか | 高い離職率は職場環境の問題サイン。入社後のストレスリスクを予測できる。 | 「過去1年の退職者は何名ですか?」 「新人が定着しやすい仕組みはありますか?」 |
面接時の印象 | ①上司・所長の態度は威圧的でないか ②質問に対して曖昧な回答をされていないか ③面接中の雰囲気が緊張やピリピリ感で固まっていないか | 面接時の空気で違和感があると、入社後もギャップを感じる可能性が高い。 | 「業務で困ったときはどのように相談すれば良いですか?」 「部署間で連携はどのように取っていますか?」 |
残業・休日出勤のルール | ①残業の目安や繁忙期対応が明確か ②休日出勤の有無や頻度が説明されているか ③残業代や手当の支払い方法が明示されているか | 不透明なルールは長時間労働・過重負担の原因になりやすい。 | 「繁忙期の残業時間は平均どのくらいですか?」 「休日出勤の手当や振替休日はどうなっていますか?」 |
業務内容・担当範囲 | ①担当業務や顧客規模が明確か ②教育・サポート体制は整っているか ③入社後に業務内容のギャップがないか | 曖昧な業務範囲はストレスやミスにつながる。成長機会の偏りも防げる。 | 「入社後の最初の担当業務はどのような内容ですか?」 「教育やOJTの仕組みはありますか?」 |
口コミ・評判 | ①口コミやSNSでの評判を確認 ②「人間関係が悪い」「残業が多い」「給与が低い」など共通指摘がないか ③評判が悪い場合、改善の兆しがあるか | 複数の情報源で同じ問題が指摘されている場合、構造的な課題である可能性が高い。 | 「実際に働いている社員の声や改善事例はありますか?」 |
もっと具体的に、ホワイト税理士事務所へ転職する方法を知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。


まとめ:ストレスは工夫で減らし、限界なら転職も選択肢に
税理士事務所で働くうえでのストレス要因と、その解消法について解説してきました。
税理士事務所での仕事は確かにストレスが多い場面がありますが、それを分解して理解し、日常の工夫で軽減することは十分可能です。
どうしても改善が難しい場合は「転職」という選択肢を取る勇気を持ちましょう。
人間関係や所長の性格など、自分では変えられない要因に悩まされ続けても、心身を消耗するだけです。
この記事を読んで、環境を変えることでしか解決しない問題も存在することを、認識していただけたら幸いです。



「転職後に雰囲気の良い事務所に出会えて、ようやく仕事が楽しくなった」という事例は珍しくありません。まさしく私もそうでした。
働く場所を選ぶことは、自分の人生を守ることでもありますよ!
ここまでお読みいただきありがとうございました。