未経験者が会計事務所で働くには?現役税理士が教える仕事・キャリア・年収の全て

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会計事務所で働くには 未経験

こんにちは!都内のフルリモートの税理士法人に勤務している税理士むたと申します。

このページを読んでくださっている皆さんは、「会計事務所で働く」というキャリアについて、こんな疑問をお持ちではないですか?

  • 「未経験だけど、本当にこの業界で働けるのだろうか?」
  • 「仕事内容はハードルが高い?どんな知識が必要?」
  • 「税理士資格は必須?年収や将来性は?」

この記事では、現役で税理士法人に勤務している筆者が、これまでの経験を総動員して、会計事務所で働くというキャリアの全ての疑問を解消したいと思います。

  • 会計事務所の働き方の把握
  • 未経験からでも内定を掴み、即戦力になるための具体的なステップ
  • 税理士資格取得を目指す場合の現実的なキャリアパスと給与水準

ご興味ある方は、最後までお付き合いいただけますと幸いです。

この記事を書いた人: 勤務税理士むたの自己紹介
目次

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会計事務所で働く前に知るべき「基本のき」

この章では、会計事務所という業界の全体像を理解し、入所後のミスマッチを防ぐための基礎知識を解説します。

会計事務所の役割とは?

会計事務所と聞いて、多くの方が持つイメージは「毎年の確定申告や法人税の申告書を作る場所」ではないでしょうか。確かにそれは重要な業務の一部ですが、それだけではありません。

会計事務所では、顧問契約を結び、事業を経営されるお客様の継続的なサポートをします。

  • 記帳代行: 日々の取引を会計データとして記録・整理する。
  • 現状の把握と報告: 毎月、経営状況を数字で明確にし、社長に伝える。
  • 将来の対策: 試算表に基づき、将来の節税対策、資金繰り改善、融資のアドバイスを行う。

会社の重要なお金事情を社長同等に把握しているため、クライアントは税理士・会計事務所担当職員が一番身近で相談のしやすい相手です。税金や経営の相談はもちろんのこと、プライベートなお話を伺うことも多く、経営者のパートナーとしての存在意義があります。

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裏方での事務作業だけだと考えていると、想像以上に経営者とのコミュニケーションを求められて、驚くかもしれません。

「会計事務所」と「税理士法人」の違いとは?

「会計事務所」と「税理士法人」どちらもよく耳にしますが、どのような違いがあるかご存じですか?

簡単にいうと、職場規模の違いで、通常は「会計事務所 < 税理士法人」となり、税理士法人の方が規模が大きいです。

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種類定義・特徴働くメリット
個人会計事務所税理士個人が開設・運営する小規模な事務所(昔ながらのスタイル)。アットホームな雰囲気。所長から直接指導を受けられ、一連の業務を早く経験できる。
税理士法人2人以上の税理士が出資して設立した法人。ある程度以上の規模を持つことが多い。組織的な研修制度や分業体制が整っている。大規模案件や専門分野(資産税、国際税務など)に携われるチャンスがある。

とはいえ、税理士法人は2人以上の社員税理士で設立することができるため、従業員規模の小さな税理士法人もあります。実際は「会計事務所」か「税理士法人」かはそこまで気にせず、自分が働きたい従業員規模かどうかをチェックすることが大切です。

顧問先となるお客様の種類は?

関わるお客様(顧問先)の種類によって、仕事の面白みや求められる専門性が変わります。
自分がどんな仕事をしたいか事前にイメージをしておきましょう。

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顧問先仕事の特徴必要なスキル・知識
中小企業経営全般の相談(資金繰り、銀行融資、事業計画)が多く、最も汎用的な経験が積める。法人税、消費税、一般的な会計処理。コミュニケーション力
個人事業主3月の確定申告がメイン。生活と事業が密着しており、身近なアドバイスが必要。所得税、青色申告、社会保険。親身に寄り添う姿勢
資産家・富裕層相続税、贈与税などの資産税対策がメイン。専門的な知識が必須。相続税法、民法、不動産関連の知識。専門性がかなり高い

入所前に、その事務所がどの顧客層に強いのかを知っておくと、あなたのキャリアプランとマッチさせやすくなります。

大半の会計事務所は「中小企業」と「個人事業主」をメイン顧客にしていると思います。もし、富裕層の相手や、国際税務がしたい場合には、特化した会計事務所(税理士法人)を探しましょう。

繁忙期・閑散期のカレンダーは?

中小企業がメイン顧客の会計事務所の仕事は、税務スケジュールによって1年間の流れがはっきりしています。働き方に大きく関わるため、事前に確認しておきましょう。

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時期主な業務特徴(繁忙度)
1月年末調整の最終処理、法定調書作成[やや繁忙] 提出期限が集中するため、内勤での事務作業が増える
2月〜3月個人確定申告のピーク[超繁忙] 主に個人の所得税申告で、事務所によっては土日出勤や深夜残業が増える
4月〜5月3月決算法人(最も多い)の申告業務[繁忙] 個人確定申告から3月決算法人が続くため繁忙期が長引く
6月〜8月法人業務が落ち着き、比較的時間に余裕ができる[閑散] 年次有給休暇を取得したり、税理士試験の勉強に集中しやすい時期
9月〜12月決算申告業務が再開。年末調整準備、税制改正のキャッチアップ[通常] 事務所によっては、コンサルティング業務に注力する

「繁忙期は残業が多い」のは事実ですが、その後の閑散期でしっかりとリフレッシュや自己投資の時間が取れるのがこの業界の特徴です。

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冬は働いて、夏は遊ぶ!メリハリをつけて働くことで、ワークライフバランスを保つことが可能です。

会計事務所の仕事内容と1日の流れ

この章では、会計事務所に入所したあなたが実際に行うことになる業務内容を、職種別、経験年数別に具体的に解説します。イメージと現実のギャップを埋め、入所後のスムーズなスタートを切りましょう。

【職種別】具体的な仕事内容

会計事務所におけるメインの職種は、大きく分けて「担当者」と「内勤補助者(アシスタント)」の2つです。

職種①:担当者(訪問・内勤)
経験を積んだ後、多くの人が目指す主要な職種です。
顧問先と直接コミュニケーションを取るため、責任感のある仕事です。

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業務内容詳細求められるスキル
巡回監査(訪問)毎月、顧問先を訪問し、帳簿や試算表の確認、経営状況のヒアリングを行う。最も重要な仕事。コミュニケーション力、専門知識(税務・会計)、運転免許(地方の場合)。
月次試算表作成訪問の結果に基づき、正確な月次決算書を作成し、社長へ報告する。会計ソフトの操作、Excelスキル、数字の分析力。
税務申告書作成補助法人税、所得税、消費税などの申告書作成。各税法の知識、正確性、期限管理能力。
経営アドバイス試算表の数字をもとに、節税対策、資金繰り、投資判断などのコンサルティングを行う。提案力、論理的思考力、金融知識。

職種②:内勤補助者(アシスタント・入力スタッフ)
未経験者やパートの方が、配属されることが多いポジションです。
税理士や担当者の指示のもと、内勤で事務処理をします。

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業務内容詳細求められるスキル
記帳代行(入力)顧問先から送られてきた領収書、請求書、通帳データなどを会計ソフトに入力する。基本的なPC操作、簿記の基礎知識(仕訳)、集中力。
書類・データ整理確定申告や決算に必要な各種資料を整理・ファイリングする。事務処理能力、整理整頓。
電話・来客対応顧問先や税務署からの電話を取り次ぐ、来客対応。基本的なビジネスマナー、丁寧な言葉遣い。

【どこ目指す?】経験年数別のステップアップ

未経験から入社した場合、事務所の規模にもよりますが、おおよそ下記のような年数でステップアップをすることが多いです。

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年数呼称/役職(目安)主な役割と求められる能力
1年目アシスタント/内勤担当【役割】 記帳代行、資料整理など、インプット業務が中心。所内のルールや会計ソフト操作を習得する。
2年目初級巡回担当者【役割】 先輩と同行、または簡単な顧問先を単独で担当し始める。月次試算表作成の精度を高める。
3~5年目中堅担当者【役割】 20~40件程度の顧問先を担当し、決算・申告書の作成まで自力で行う。税理士の視点を持って提案を意識し始める。
6年目以降上級担当者/課長/マネージャー【役割】 難易度の高い案件や、新規開拓、後輩の指導を行う。資格取得後は、独立や次期パートナーを目指す。
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担当者として採用された場合は、1年目で担当を持つことも多いです。上記はアシスタントスタートの場合の目安となります。特に規模の小さな事務所ほど、1人で担当を持つスピードは早いと思います。(私は新卒入社して10日で引継ぎ10社以上でした。)

【スケジュール】とある担当者の1日(訪問日/内勤日)

働き方は事務所の規模や方針、担当案件によって異なりますが、ここでは最も一般的な「担当者」の1日をご紹介します。

訪問日(顧問先へ出向く日)

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時間業務内容ポイント
9:00出社、メールチェック顧問先からの連絡対応、訪問資料の最終確認。
10:00顧問先訪問①(午前)試算表の報告、先月の経営状況ヒアリング、懸案事項の相談。
12:00昼食、移動訪問先近くで食事を取り、次の訪問先へ移動。
14:00顧問先訪問②(午後)資金繰り相談、融資資料の打ち合わせなど、より深いコンサルティングを行うことも。
17:00帰社訪問で預かった資料の整理。内勤補助者への指示。
18:00退社残業が多い日でも、訪問日の方が時間に融通がきくことが多い。

内勤日(事務所で集中して作業する日)

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時間業務内容ポイント
9:00出社、記帳指導、データ入力顧問先の連絡対応。訪問先から回収した資料を処理、補助者への指示出し。
12:00昼食外食又は弁当持参。
13:00決算・申告書作成担当法人の決算書、税務申告書の作成。
16:00問い合わせ対応顧問先からの電話相談、税務署からの問い合わせに対応。
18:00退社決算期や確定申告期は、進捗に応じ残業の可能性。
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最近は、直接訪問ではなく、WEBミーティングも多くなってきています。ただ、直接往訪の時は、移動中に少しサボることができて、いい息抜きにもなります。

会計事務所で活躍するために身につけるべきこと

会計事務所の仕事は、知識を武器とするため、常に勉強が必要となります。ここでは、入社する前に準備すべきことと、働きながら磨くべきスキルを解説します。

コミュニケーション能力(傾聴力)

会計事務所の仕事は「サービス業」です。税務・会計の専門用語を分かりやすく社長に説明し、経営状況を正確にヒアリングする必要があります。

  • 話す力より「聞く力」:社長が本当に困っていること、事業への想いを引き出す傾聴力が最も重要です。
  • 専門用語の翻訳力:税務や会計の知識がない社長にも、分かりやすい言葉でメリット・デメリットを伝えられる能力。

「感情」と「事実」をきちんと整理せずに話を進めてしまうと、『理想論』だけの中身のない会話になってしまいます。社長の熱い想いを受け止めつつ、きちんと現実的な会話に落とし込んでいくスキルを意識しましょう。

マルチタスクと管理能力

担当者は顧問先を20社~50社程を持つようになります。
常にマルチタスクが必要となり、一つの仕事に集中したい人にはあまり向かない仕事かもしれません。

税務申告には期日があるため、全てを同時並行するのではなく、タスクの優先順位付けと管理能力がとても重要です。

各顧問先の進捗を把握しつつ、税務申告期限に間に合わす責任感が不可欠なのです。

簿記の知識はマスト

会計事務所で働くには、簿記の知識がマストで必要となります。
仕訳ができて、試算表を完成させることができなければ、勤めることは難しいでしょう。

資格/知識評価される度合い実務での重要度
日商簿記2~3級【必須レベル】 会計事務所で働くにはマスト損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)の構造が理解でき、基本的な仕訳が切れる。
法人税・消費税の基礎【重要】 実務で最も頻繁に扱う税法知識申告書作成や月次指導の根幹となる知識。働きながらの習得が必要。

担当者として入社希望の場合は、「日商簿記2級」まで取得しておくことをおすすめします。

また、入社後は税法の知識も必要となるので、税理士試験の科目勉強まではせずとも、書籍で自主的に勉強していきましょう。

税理士試験(科目合格)

もし、将来的に税理士を目指すのであれば、税理士試験への合格が必要となります。

科目合格に応じて手当が付く事務所も多いです。

仕事をしながらの受験は大変ですが、実務でも役に立つ知識ですので、一つずつ合格を目指していきましょう。

会計事務所についていけないと思ったら…

実際に入社してみて、「ついていけない」「もう、辞めたい」と考えた時は、下記の仕事術の記事をぜひ読んでいただきたいです。

当ブログで1番人気の記事で、入社当初の自分に教えてあげたいノウハウを詰め込んでいます。

記事でも紹介している下記の本は、私もOJTの時に新人に読んでもらっている、未経験者にマストで読んで欲しいおすすめの1冊になります。

税理士事務所に入って3年以内に読む本(高山弥生)
レビュー記事:【未経験者必読】税理士事務所に入って3年以内に読む本

年収は?将来性は?会計事務所でのキャリアパスと給与の現実

会計事務所で働くことを決意する上で、最も気になるのが「給与(年収)」と「将来性」でしょう。専門性が高い仕事ですが、その対価はどれくらいなのか。そして、AIの台頭が叫ばれる中、この仕事に未来はあるのか。現役税理士が包み隠さず解説します。

会計事務所の平均年収(経験年数・資格別)

給与水準は、事務所の規模、地域(都市部か地方か)、そして何よりあなたの経験と資格によって大きく変動します。一般的な目安として参考にしてください。

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ステージ役職/資格(目安)年収目安特徴と昇給のポイント
スタート期未経験・補助者(簿記2級)280万~350万円まずは記帳代行や補助業務を覚える時期。残業代で変動。
成長期経験3~5年・巡回担当者350万~500万円担当先を持ち、月次・決算業務を回せる。税理士試験の科目合格を目指したい。
成熟期経験5年以上・科目合格者450万~650万円専門知識を活かし、難易度の高い案件やコンサルティングを担う。科目手当が厚くなる。
専門家期税理士有資格者(勤務)600万~1,000万円マネージャーとして部下を管理、または専門分野(資産税など)で高い売上を上げる。
経営者期パートナー(社員税理士)/ 独立開業1,000万円~(青天井)事務所経営に携わる。独立すれば収入は自分次第(リスクも伴う)。

会計事務所は、担当者売上に連動する給与体系が一般的です。担当できる顧問先を増やすことが、年収アップへの最も確実な道です。

キャリアパスの選択肢

会計事務所での経験を積み、あなたが進めるキャリアパスは、大きく分けて3つあります。

①会計事務所内での昇格

  • 道筋: スタッフ → チーフ → マネージャー → パートナー(社員税理士)
  • 特徴: 最も安定したキャリアパス。同じ事務所で経験を積み、税理士資格を取得して経営幹部を目指します。
  • 向いている人: 安定志向であり、一つの組織で専門性を高め、後進の育成にも関わりたい人。

②税理士として独立開業

  • 道筋: 税理士資格取得 → 独立
  • 特徴: ハイリスク・ハイリターン。収入は青天井ですが、税務実務だけでなく「営業(集客)」が必須となります。
  • 向いている人: 経営者志向が強く、自分の裁量で働きたい人。営業力に自信がある人。

③事業会社の経理・財務へ転職

  • 道筋: 会計事務所で数年経験 → 上場企業やベンチャー企業の経理・財務部
  • 特徴: 会計事務所での「決算・申告業務を完結させた経験」は、事業会社である程度評価されます。給与水準や福利厚生が向上するケースも多いです。
  • 向いている人: 特定の業界(例:IT、製造業)の内部から経営に関わりたい人。ワークライフバランスをより重視したい人。

将来性は?AIに仕事は奪われるのか?

この質問は、業界を問わず聞かれますが、会計業界は特にその最前線にいます。

私の見解としては、「単純作業はAIに奪われるが、専門家としての仕事はむしろ増える」と考えています。

奪われる仕事(すでに奪われ始めている)

  • 領収書の入力(記帳代行)
  • 単純な仕訳作業
  • 定型的な書類作成

AI化によって、これから価値が高まる仕事

  • コンサルティング能力: AIが弾き出した数字(試算表)を読み解き、「なぜ赤字なのか」「どうすれば黒字化できるか」を社長と共に考える仕事。
  • コミュニケーション能力: 社長の漠然とした不安や悩みを引き出し、言語化し、解決策を提示する「伴走者」としての役割。
  • ITリテラシー: AIやクラウド会計を「使いこなす」能力。顧問先に最適なITツールを導入支援するスキル。

「入力作業員」としてのキャリアを目指すなら、将来性はありません。しかし、会計事務所での経験を土台に、「経営者の相談相手」としてのスキルを磨くならば、AIはあなたの業務を効率化する最強の武器となると考えています。

【未経験者】会計事務所への転職・就職Q&A

ここまで読んで、会計事務所で働くことへの解像度が上がってきた一方、「自分でも本当に入れるだろうか」という不安も出てきたかもしれません。この章では、採用側の勤務税理士の視点から、就職・転職に関するリアルな疑問にお答えします。

未経験でも大丈夫?採用で重視されるポイント

未経験者でも問題ありません。 実際、私の職場でも、異業種から転職してきた多くのスタッフが活躍しています。ただし、採用側は未経験者の「何」を見ているかを知っておく必要があります。

私たちが重視するポイントは、主に以下の3点です。

①簿記の知識(日商簿記2級レベル)

これは「実務能力」というより、「この業界で働くための最低限の熱意と素養があるか」の証明です。ゼロベースから教えるのはコストがかかりますが、簿記2級があれば「会計の共通言語」が通じると判断できます。

②ポテンシャル(年齢と柔軟性)

税務・会計の知識は入所後にいくらでも学べます。重要なのは、新しい知識を素直に吸収する柔軟性です。一般的に若手の方がポテンシャル採用されやすいのは事実ですが、30代以上でも、前職の経験(例えば、営業での高いコミュニケーション能力、IT業界でのシステム理解力など)が評価されれば、即戦力として採用されるケースも多々あります。

③コミュニケーション能力(人柄)

この仕事は「サービス業」です。面接では「この人に自社の顧問先を任せても安心か?」という視点でチェックされます。明るさ、清潔感、そして誠実な受け答えが何より重要です。

勤務税理士むた

人柄は結構重視しますね。経歴がいくら凄くても、一緒に働きたいと思える人かで判断します。

履歴書・職務経歴書の書き方

未経験者の場合、職務経歴書でアピールできる「実績」が少ないのは当然です。そこで重要になるのが「志望動機」です。

【NGな志望動機】

  • 「安定していそうだから」
  • 「デスクワークがしたいから」
  • 「資格が取れそうだから」

【OKな志望動機(例)】

  • (異業種・営業職出身者の場合) 「前職で多くの中小企業の経営者と接する中で、表面的な課題解決ではなく、経営の根幹である『数字』の面から本質的なサポートがしたいと強く感じました。そのために必須である日商簿記2級を取得し、専門家としてキャリアを築きたく志望しました。」
  • (事務職出身者の場合) 「事務職として培った正確な処理能力に加え、簿記を学ぶ中で会計の奥深さに魅力を感じました。貴事務所の〇〇(例:クラウド会計推進、資産税特化など)という強みに惹かれ、専門知識を身につけながら即戦力として貢献したいと考えております。」

「なぜ他業種ではなく会計事務所なのか」を、あなた自身の経験と結びつけて語ることが重要です。

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まとめ

この記事では、現役税理士の視点から、「会計事務所で働くこと」の仕事内容、必要なスキル、キャリアパス、そして年収の現実を解説しました。

ポイントを下記にまとめます。

  • 会計事務所の仕事は「申告書の作成」だけではなく、「経営パートナー」であり続けること。
  • 未経験でも「日商簿記2級」と「コミュニケーション能力」があれば、キャリアをスタートできること。
  • AIに奪われるのは単純作業であり、「コンサルティング能力」を磨けば将来性は無限大であること。
  • キャリアパスは「事務所での昇格」「独立開業」「事業会社への転職」と多様であり、一生モノのスキルが身につくこと。

会計事務所での仕事は、確かに簡単なことばかりではありません。繁忙期の激務や、絶え間ない勉強も必要です。しかし、「経営者の人生に深く関わるやりがい」と「社会で必要とされ続ける専門性」を身に付けることができる魅力的な仕事でもあります。

未経験でも興味のある方はぜひチャレンジしていただきたいです!

お付き合いいただきありがとうございました。

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