管理人の【税理士試験合格体験記】をお話します!
大学院で論文を書いている(院免)なので、受験は3科目のみとなりますが…興味のある方はぜひお付き合いください。
こんにちは!むたです。
大学院卒業後から都内の税理士法人(現在2社目)に勤めており、転職を成功させて今ではフルリモートの税理士法人で自由に働いています。
今回は、私の税理士試験合格体験記(簿記論・財務諸表論・法人税法+院免)をお話したいと思います。
自己紹介
管理人の簡単な経歴を紹介させていただきます。
大学1年時より簿記3級に挑戦し、大学3年時から4度の税理士試験で3科目(簿記論・財務諸表論・法人税法)に合格、院免で税理士になりました。
学生専念・院免で税理士試験に挑戦していたため、比較的早めに税理士資格を取得することができましたが、大学時代のモラトリアムを放棄した自己肯定感の低い暗黒の6年間を過ごしました。
寝ても覚めても、常に理論で頭がいっぱいの生活は、専念ならではの苦しさだと思います。
早々に院免で税理士試験を終わりにしていなければ、正常なメンタルでいられなかったでしょう。
逃げ場のない受験時代は、正直あまり記憶がありません…。
記憶を掘り起こしながら体験記を書いているので、詳細な勉強方法をご紹介できずで恐縮ですが、お付き合いいただけると嬉しいです。
- 大学3年(21歳) :就活が嫌で税理士試験に挑戦するも簿記論1年目【不合格】
- 大学3年(21歳):官報は能力的に難しいと悟り、早々に院免の進路確定
- 大学4年(22歳) : 簿記論2年目・財務諸表論1年目 【合格】
- 大学院1年(23歳) :惨敗の法人税法1年目【不合格】
- 大学院2年(24歳) :理論のヤマが当たって法人税法2年目【合格】
- 大学院2年(24歳):大学院で論文を書き【税理士免除決定通知書】
- 社会人3年目(27歳):2年の実務経験を経て【税理士登録】
税理士を目指した理由
まず初めに、私が税理士を志したきっかけは「英語を勉強したくなかったから」です。
しょうもなさ過ぎてびっくりしますよね。
今まで税理士を目指した理由を聞いた中でも最弱の動機だと思います。
大学時代、何者かになりたくて勉強しようと決意していたものの、とにかく英語が嫌いで。
大学生って「とりあえず留学」のために「英語の勉強」ってなるじゃないですか。
でも中学1年生の夏休み明けに英語で追試をくらってから、英語の苦手意識・嫌悪感がすごくて、どうしても英語を勉強したくなかった。
そんな時に大学の授業で簿記に出会いました。
税理士の仕事してると、たまに「簿記が美しくてハマりました」という人がいますけど、私にはそんな感性は備わっておらず…得意でも苦手でもないものという印象でした。
ただ、資格として履歴書に書けるのは魅力でしたし、何より簿記2級まで取れば自動で単位が約束されたのが大きかったです。
運よく大学に簿記同好会があり、最終的に「公認会計士」か「税理士」へ進むための同好会でしたが、『無料で簿記を教えてくれるなら』と軽い気持ちで大学1年時に加入したことが全ての始まりでした。
同好会では、簿記3級、簿記2級の合格後に、簿記1級の勉強を開始します。
工業簿記に入る手前で、税理士志望の人は「簿記論」へ内容をシフトチェンジ。
工業簿記が苦手で、仲の良い友人が「簿記論」へ進んだという理由で、私も簿記1級コースから税理士コース(簿記論)へ転向することを決めます。
まさかこんなに苦しい暗黒の学生時代が待ち受けているとも知らず、ずいぶんとお気楽な選択でした。
税理士試験からの逃亡
税理士になりたい理由は特になく、英語を勉強したくないから簿記3級を始め、友人に合わせて簿記論の勉強を開始。
税理士コース(簿記論)になってから、勉強スピードと難易度が急激に上がります。
今までの同好会は何だったのかと思うくらいハードになり、脱落者も続出。
残る猛者は覚悟を決めた目をしています。
毎回のテストでは常に最下位。
いつの間にか劣等生として同好会のお荷物扱いとなりました。
そんな状況に心砕かれ「私は別に税理士になりたかったわけじゃない…。」と、税理士コースが始まった半年程で私も同好会から逃亡します。
大学2年(20歳)の夏頃でした。
【税理士試験】簿記論・財務諸表論
即行で逃亡したのにどうして税理士に?
そのままだったら合格体験記終了なんですが…。
性懲りもなく、私、税理士試験に挑戦します。
同好会逃亡後、5か月程プラプラしていたのですが。
入学時にサークルは入っていなかったし、大学に親しい友人もおらず、やることがなかった…。
途中からサークルに入れるほど私のコミュニケーション能力は高くなく、暇な時間が続きます。
さらに、大学3年も近づいていましたが、就活もピンときていませんでした。
周りがガクチカ(学生時代に力を入れたこと)として様々活動していたことは、簿記を勉強していることを免罪符に何もしておらず。
何者かになりたくて勉強を始めたのに、就活では何も武器を持たない奴になっていました。
そんな自分を認めたくなかったし、許せなかった。
また『税理士試験から逃げた』という罪悪感やコンプレックスが、常にモヤっと潜んでるんですよね。
勉強のコンプレックスは、勉強で埋めるしかないんだと覚悟を決めます。
謎のプライドと、内向的な性格のおかげで、税理士試験を再スタート。
孤独も時にはエネルギーとなります。
まずは大学2年(20歳)冬からTACの「簿記論 1月入学速修コース」に入学。
リスタートだったので、「何くそ」と思って自分なりに勉強頑張りました。
成績平均としては上位20~30%くらいですかね。
ミスノートも作って、合格狙えるか?ってところまでいったんですが…
試験の結果は【簿記論1年目 不合格】(21歳)
問題文の読み間違え…というより思い込みでした。
自己採点の時も何で間違えたのかわからないくらいでした。
あの時はほんとに悔しかったです。
長いこと枕に顔を押し付けて発狂していました。
気持ちを切り替え、大学4年(22歳)は「簿記論・財務諸表論」で受験。
1年目の簿記論でそこそこ勉強していたので、2年目は簿財ともに上位10%内にはいられました。
ミスをやらかすことが1番の恐怖でしたね。
ミスノートには、私がミスりやすい傾向(3が5に見える、問題文を推測しないとか…)も記載して、毎回の答練前に確認。
実力を発揮できれば合格できるという自信を練り上げて、
無事【簿記論2年目・財務諸表論1年目 合格】(22歳)しました。
この時点というか大学3年の簿記論に不合格だった時点で『官報』は諦めました。
自分のメンタルは5科目の長丁場に耐えられないって思ったんですよね。
理想としている税理士像もないし、見合う頭の良さもないし、特に悩みもせずに大学院に進む準備も並行して始めていました。
【税理士試験】法人税法
大学院への進学は確定していたので、受験する税法は1科目のみです。
『残り1科目で受験生活が終わる』を心の支えに勉強と向き合っていました。
よく「院免なのに法人税法?」と言われるのですが、大学院のゼミの方針です。
「法人税法は実務で使うから、官報になめられないために」みたいな感じだったと思います。
流石のメイン税法。理論も計算も量が…ハンパない!
大学院生で1科目専念みたいなものですけど、自分の能力では1年で合格は無理だろうなって思いましたね。
成績も伸びずで上位30~40%くらいだったと思います。
法人税法1年目の本試験直前のTACの最終授業で、先生の熱いメッセージを聞く気になれず、休憩時間に荷物をまとめて、カラオケに逃げ込んだのはいい思い出です。
「今年は無理。歌でも歌って帰ろう。」
とはいえ、【法人税法1年目 不合格】(23歳)悔しかったですけどね。
欲を言えば受かりたかった。
でも実力出せたら合格できるって思えるほどではなかったので、妥当な結果だと受け止めてます。
2年目の法人税法
前回の簿記論では2年目の余裕みたいなものがありましたが、法人税はそんな余裕は一切ありませんでした。
計算は少し落ち着くんですけど、覚える理論の量がエグすぎて。
なぜこの量を丸暗記しなければならないのか!
と叫びながら、お風呂に入る時も、寝る前もブツブツ唱えて暗唱してました。
タイピングでアウトプットすることも多かったですね。
ちなみに私は『ポメラ』使ってました。
PCは立ちあげるのめんどくさいし、ネットの誘惑があるので、タイピングのみの単機能で即立ち上がるポメラは、タイピング出力派の人にはおすすめです!
2年目でもなかなか上位10%には食い込むことができず、苦戦する日々。
理論がね、伸びなかったですね。
覚えきれてなかった。
学生の専念でこんなんだったので、お仕事されながら試験勉強している方は本当に凄いと思います。
最終的に上位20%くらいの状態で本試験に臨みました。
「理論の書き方ミスった…」と思って半泣きで終えた試験でしたが、
運が味方し、この年に【法人税法2年目 合格】(24歳)しました。
心底ほっとしましたね。
やったー!!というより、よかったぁぁぁって感じです。
周りからは比較的スムーズな受験歴だねと言ってもらえるのですが…
皆が青春を謳歌している貴重な大学時代を、恋愛もせずに勉強に全て費やし、院免3科目でありながら、6年間(大学1年~大学院2年 ※簿記3級からカウント)かかっているので、頭壊れそうでした。
『遊ぶ事は悪い事』みたいな、脅迫概念に囚われていて、たまの遊びだってうまく息抜きできなかったです。
もう学生時代を費やした分、引くに引けなかったですね。
何としても合格しなきゃ私が報われないって必死でした。
大学生から大学院生に間に、仕事もせずに税理士試験の専念。
「羨ましい。」と思われるかもしれません。
でも税理士がどんな仕事なのか、やりがいも厳しさも何もわからない状態で、
周りは楽しくサークル活動をしている中、電卓を叩き続ける日々はとても孤独で苦しかったです。
皆さんそうだとは思いますが、人生で1番頑張ったことは?と問われたら、間髪入れずに『税理士試験』と答えます。
試験勉強中は発狂するくらい辛かったですけど、今振り返るとあの時食いしばって頑張り続けて良かったなって思います。
私は専念組でしたが、仕事を始めた今ならわかります。
社会人受験生は本当に尊いです。
時間も脳のキャパも仕事に振りながら、勉強に向かう方々を私は心から尊敬しています。
どうか皆様が少しでも悔いなく税理士試験の当日を迎えられることを切に願っております。
※突然のお得情報※
TACの場合メルカリ等で、受講料10%OFFの優待券が売ってるので、講座申し込む前に優待券買うとお得ですよ!
私は学生でお金がなかったので、毎回優待券を購入していました。
院免か官報か
少し余談ですが、税理士資格を取得するのに『院免』か『官報』かって毎度話題になりますよね。
仕事に慣れてくるとあまりその差を意識しなくなりますが、受験中は「院免は逃げじゃないか」と気になると思います。
私も「官報合格を諦める自分」は少し罪悪感に似たような後ろめたさがありました。
ただ、結局勉強すればいいと私は思います。
むしろ院免というコンプレックスが私の勉強の原動力です。
私は税理士法人へ就職して1年~3年目の間に、オンライン講習(スタディング)にて以下の税法を受講しています。
授業は1.5倍速にしてるし、計算問題も理論暗記もしていませんが…それでも各税法の考え方の軸を知りたくて受講していました。
実務をする上で「あんな論点あったよな」という引っ掛かりができたので、受講して良かったと思っています。
オンライン講義は、すきま時間を使えるのと、本を自ら読まなくても聞いていれば解説してくれるのが楽ですよね。
講義形式でなく、書籍での税法勉強だったら挫折していたと思います。
受講期限が1年で切れるというのも、「ヤバい受講しなきゃ!」という怠け防止になりました。
スタティングは気軽に安く受講できるので、院免でコンプレックスを抱えていらっしゃる方は勉強してみてはいかがでしょうか?
自信に繋がりスッキリしますよ!
私は残り2科目の受験勉強をしているであろう数年を、好きな勉強や大切にしたい人達との時間に費やせて良かったと思えています。
私にとっては試験勉強は本当に地獄でした。
理論暗記と計算問題の解き直しを延々と…。頭は良くない方だからすぐにはできないし。
税理士資格は取りたいけど、試験勉強が苦手な私にとって、『院免は最高の選択をした』と自分を褒めたたえたいくらいの功績なんです。
周りに何と言われようとも。
もちろん人それぞれの考え方ですし、私の院免で満足というケースは結果論でしかないかもしれません。
でももし『税理士になりたいけど、官報合格が遠くて挫けそうな方』がいれば、院免で一緒に頑張りませんかとお伝えしたいのです。
税理士資格取って良かった?
これまでお読みいただいた通り、私は税理士になりたくて目指したという訳ではありません…。
たまたま始めた税理士試験から逃げたことが悔しくて勉強を続けました。
目指した動機は最弱でしたが、今ではあの時頑張って、税理士になれて良かったと思っています。
働き方が自由なんですよね、将来の選択肢(独立、サラリーマン、パート…)もたくさんありますし。
知識を武器にクライアントからありがとうと言って貰えて、きつい押し売り営業をしなくていいのが自分には合っていると思います。
でもこれは別記事で詳しく読んで欲しいのですが、税理士になれて良かったと思えるようになったのは転職してからです。
それまでは本当に辛い職場で、税理士になった自分を、勉強時間を恨むくらいの勢いでした。
こんな辛い仕事を夜遅くまでするくらいなら、普通に就活すれば良かったと何度思ったことか。
けれど転職して、ほぼフルリモート(在宅)で自分のペースで仕事ができる今の職場に出会った時、選んだ資格が税理士で良かったと心底思えるようになりました。
皆さんも「残業の多い職場で勉強時間が確保できない」とか「代表が高齢で新しい学びがない」とか、現状の問題点は意外と環境を変えると解決するものです。
ハードルが高い転職ですが、まずは日々の情報収集(求人情報)が大切です。
質の高い求人情報を集めるには『転職エージェントへの登録』が手っ取り早いです。
おすすめの転職エージェントや求人情報の使い方の詳しい話は別の記事で書いておりますので、興味のある方、環境を変えたい方はぜひ読んでみてください。
【比較表】会計事務所におすすめの転職エージェント
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税理士業界の職場を多く見ているプロの目線で、あなたの現在地を教えてくれますよ。
税理士業界は今人手不足で完全なる売手市場です。
今より好待遇で成長できる職場がないか探してみることをおすすめします。
転職せずに電話で話を聞いてみるだけでもOKです。(顔出し不要です)
現状分析が大切です。
お読みいただきありがとうございました。
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